HannahLee's blog

脱藩☆女子!〜海外で働いている日本人女子の赤裸々ワーク・アンド・ライフ

「どうすれば国連に入れるんですか」

立て続けに、「仕事探してます」、「どうすれば国連に入れるんですか」、という問い合わせを3本受けた。2本は日本人の女の子たちから。1本は、ウガンダ人の女の子から。 

日本人の子たちのは、まあ置いておこう。日本人によくある質問だった。「国連に興味があるんです。あなたの経験を聞かせてください」というもの。

経験?どんな?国連といってもいろいろだけど?と思う。

無視すればいいんだろうけど、同僚や知り合いの紹介で回ってくるのが大半なので、無碍にもできない。

それより、気になったのはウガンダの子の例。私より2つ年上の彼女(30代半ば)は、本国で大学を出てからジュネーブに来て、インターン(という名の無給労働者)をいくつかしても就職のチャンスがなく、ビザが切れるのでこっちの大学に入り、その大学も修了間近なので履歴書を持って職探しにうちの会社に来たのだ。 

最初は、「◯◯(Hannahの専門分野)について聞かせてください」ということで私が借り出されたのだが、ふたを開けてみれば「仕事をください」。どれくらいこの分野のことを知っているのか質問を振ってみたけれどあまり響きは良くなく、ほんとにこのテーマに興味あるの?という印象。 

でも・・・。自分が彼女だったらどうするだろう?

祖国にろくな職はなく、海外で勉強するにも自国のパスポートではビザ取得は至難の業。国連に勤めたくても、実際に勤めている同国人は少ないので情報を得ることも難しい。国籍が違うだけでのハンデって、やっぱ否めないよな、と思った次第。 

私のこれまでの観察から思うに(だから、独断と偏見も強いと思う)、自国にいいお仕事のチャンスがなかなかない人は、一度国際機関に職を得たらそれにものすごくしがみつく気がする。どこの国の人だってしがみつくけど、その中で、「帰る国がない、あってもとても今の生活水準をキープできない」という思いが他の国の人より強い人はいる。 

翻って、日本人だと、職選びをするときは、仕事の内容、やりがい、なんていう、考えてみれば悠長な基準で選べたりするので、改めて日本は、いろいろ大変なこともあるけれど、やっぱり恵まれてるなあ、と思ったんだった。 

でも、チャンスを求める人の中から誰を選ぶかで、最後の最後で基準になるのは、やっぱり「賢いか賢くないか」だと思う。どんなにハンデがあって、今もっている知識や経験に限りがあっても、新しいチャンスを目の前にしてその状況を迅速に飲み込んで、柔軟に対応していける、賢さ。 成績がいい、という意味での賢さでは決してない。

それがないと、慇懃に、でもばっさりと切られると思う。そういう意味では、平等なのかな、この世界。

それでも、コネとかを駆使して生き残っている人はいる。それはそれで、そういうスキルに長けてるということ、なのかな。でも、コネだけで生き残っている人は、めったにいない。

(初出2007年9月)