HannahLee's blog

脱藩☆女子!〜海外で働いている日本人女子の赤裸々ワーク・アンド・ライフ

国連職員の「リアル」キャリア選択@四十路

大学生の頃から国際機関で働くことに興味があった。なので10年以上前はよくそういう仕事についてる人たちの情報を集めたり記事を読んだりしてた。当時、そんな記事でよく目にした女性のうちの1人に、昨日、初めて会った。 

当時は3人くらいよく外務省の広報誌とかで取り上げられる日本人の女性国連職員がいた。みんな「外国暮らしが長くて、フィールドでばりばりやって、魅力的」みたいなイメージだった。彼女たちのことを取り上げた本、『国際協力を仕事にして』は、現在この業界で仕事している女の子たち(なぜか男の子とは話題に上らない)は必ずといっていいほど読んでいる。 

当時の彼女たちのその後の人生はいろいろのようだ。1人は紛争地のフィールドオフィスに勤務。私生活では結婚、離婚、結婚を経たらしい。もう1人は、やっかむ人に言わせれば「全てを手に入れた女」。フィールドでいろんな経験をして、今は家庭を持ち、子育ての傍ら先進国で仕事。子育ての手が離れたらまた紛争地に行ってアドレナリンを感じたい、とのことだ。私が昨日会ったのは、この後者の彼女。 

この数年、地道な聞き取り調査を続けてきて(主に飲みの席でね)、30歳を過ぎた女子でこういう仕事をしているとだいたい2つのグループに分かれるらしいことがわかってきた。

第一は、20代後半から人道援助畑で突っ走ってきて、紛争地を転々とし、その仕事に生きがいを見出し仕事に生きてきて、40歳になりふと、「私、このままでいいの?子どもは?」と思うグループ。 

もう一つは、30代前半から35歳くらいになったところで立ち止まり、フィールドの勤務と生活環境を見回して、「周りは不倫や買春で自分を慰める人たちばかり。私は愛ある自分の家庭を持ちたい」と思ってフィールドを離れ、先進国へ転職・転勤するグループ。 

男子でもこういう問いはあるのだけど、彼らの場合は圧倒的多数で伴侶(女子の場合)が自分たちについて来てくれるので、仕事・任地と家族、の二者択一を迫られることは少ないようだ。これは、日本人、非日本人問わない傾向です。(強いて言うなら還流ドラマ『チャングムの誓い』のミン・ジョンホくらいだろうか?) 

昨夜会った彼女に、そこらへんのところをちょっと話してみた。「まだフィールドに行こうと思います?」と。そうしたら、「ずっとフィールドにいて、家族を持ってなくて今まできたら、そうは思わなかった」とのこと。「私の場合は、家族があったから、途中でいいブレイクになった」と。 

でも、そういうのって計画してどうこうなるもんでもない。彼女も同意して、「結局、その場その場で夢中になってやってればいいってことですかねえ」ということに。「人生を計画してもしょうがない」というのは、元UNHCRトップの緒方貞子さんも言っていたが。

う~~~ん、でも、どうなんだろうな。 そうやってバリバリやって、ふと40にして惑ったりしている人々も知っているのでなあ。『国際協力を仕事にして』、あの本の出版から10年経った今、あの本に載っていた彼女達はどう生きているのか、知りたい。

(初出:2010年、10月)